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art Puffin TIPS へようこそ。

ここでは、メンバー限定で海外の公募に応募する際に役立つポイントやコツをご紹介します。正解でも正攻法でもありませんが、これまでの経験から得た情報をシェアしています。参考になれば幸いです。

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1.なぜ、海外公募なのか?


私たちがなぜアートパフィンを始めたのか。それは、もちろん自らの成功体験があってのことです。しかし、それ以上に、多くの日本人アーティストが「ただ知らないだけ」という理由であまりに多くのチャンスを逃していることを知ったからです。海外のほうが目に留まる作品や、テーマを扱っている方も多いですし、日本の公募は審査員のラインナップがあまりに似通っていてヘルシーな審査なのかと言う声もちらほら聞きます。もちろん、国内である程度研鑽を積んでからでないと海外なんてまだ早いと言う声もあると思いますが、やはり捨てる神がいれば拾う神もいて、自分に合った公募、審査というのは必ずあります。チャンスの分母が桁違いですし、そのチャンスを掴んだ時の露出がワールドワイドであることは今後のキャリアにとって大きいと考えています。

海外公募ってハードル高いんじゃ?

アートパフィンのスタートに先駆けて行ったアンケートにおいて、“これまで応募してこなかった理由”の同率トップは「公募の情報にリーチできない」、「時間や労力を考えると優先順位が低い」、「過去の実績が足りないのではという懸念がある」でした。これらに全て回答すると、

-公募の情報にリーチできない
アートパフィンで簡単解決です。

-時間や労力を考えると優先順位が低い
その重い腰をあげるか本人次第ではあるのですが、確実なことは、一度主要な応募書類を作ってしまえば割と使い回せるので、それ以降の労力はさほどかかりません。もちろんそれぞれの応募でアジャストは必要ですし、企画書が必要な場合はその都度相応の労力はかかってきます。しかし、CV、ポートフォリオ、ショートバイオ、ステートメントが揃っておけば、ある程度の公募に対する骨組みは出来ていると言えます。なので、今後このTIPSでそれらの書類準備の手助けとなるコンテンツを更新していきます。

-過去の実績が足りないのではという懸念がある
自分でブレーキ踏んでしまっていることはないでしょうか。実際に、キャリアのある人から趣味の人まで全員ウェルカム!という公募も多いですし、未だ見ぬ才能を見つけたい、知ってほしい、という思いの公募もあります。そして大抵は実際に実績関係なくいろんなキャリアステージのアーティストを選出しています。なのでとりあえずキャリアが懸念なのであれば、とりあえず応募してみてはいかがでしょうか。筆者の場合は、卒業後初めて公募展に応募し採択された時点での展示歴は1度だけ、その他の実績はゼロでした。

日本人だから応募できる海外公募もある、のに皆知らない。。。

ピンポイントで日本やアジアにルーツがあるアーティストや作品を募集している海外公募もあります。例えば、ロンドンでも指折りのアーティスト・イン・レジデンスであるGAS WORKSは2024年7月29日締切で日本在住アーティストの募集を行っています。知っていましたか?こういうチャンスを逃してほしくないんです。GAS WORKSなんて世界中から皆参加したいAiRの一つです。それが日本在住者だけに開かれているわけです。普段からアンテナを張りまくっている海外在住日本人アーティストは応募できないわけですから、応募者の分母は想像できます。GAS WORKSはアトリエ、滞在部屋の設備も綺麗で整っていますし、ギャラリーはコンパクトではありますが、AiRの成果を発表するには申し分のない素晴らしいスペースです。近くのエリアはリトルポルトガルと呼ばれていてご飯が比較的安価ですごく美味しいです。アサリの白ワイン蒸しなんかもう、言わずもがなです。

脱線しましたが、要は海外だからこそ発揮できる強みもあるということです。日本では別に強みでも何でもないことが強みになることもあります。そして、競争率は案外高くなかったりします。

今の円安は逆にチャンス

2024年7月現在、かなりの円安で海外なんてとんでもない!と思われるかもしれませんが、賞金や報酬が円換算で1.5〜2倍になったり宿泊費や交通費が浮くこともあるわけですから、これほどのチャンスは無いと捉えることもできます。

いかがだったでしょうか。正直、海外公募にトライしない理由はないと個人的には思います。アンケートに回答してくれた方がOther欄に書いておられました、「情報があるのなら、やるかやらないか、それだけだと思う」と。そうです。やるだけです。アートパフィンはその手助けをやっていますので是非活用していただければと思います。

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2.こういう公募は注意が必要!

私たちがこういった公募のリスティングを行なっている理由の一つに、世の中にはあまりオススメしない公募も少なくないので、そのような公募はあらかじめ避けて、アーティスト・キュレーターの皆さんにとってプラスになる若しくは糧になる公募をお届けしたいという点があります。

簡単にどういうことかと言うと、その公募の先にあるのは果たしてアーティストの利益なのか、と言うことです。海外の公募にすでに目を向けている方にとっては、公募の情報源はアートパフィンだけでないことも多いと思います。その際、アーティスト側が見下されているような公募をリスティングしていたりするプラットフォームやSNSも散見されるのです。なのでそういった際に、頭の片隅に置いておいて欲しいですし、私たちも出来るだけその種の公募は載せないように努めますが、見極めが足りない場合も出てくるかもしれませんので、こちらでいくつかのポイントをシェアしたいと思います。また、最後に申請料について少し触れていますのでそちらもご覧ください。

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3.CVガイド/テンプレ

そもそもCVってなに?

皆さんお気づきのように、ほとんどの公募の必要書類の中にCVが含まれています。CVとはCurriculum Vitaeの略で要は「履歴書」です。ただ、履歴書と言っても日本のいわゆる履歴書の書き方とは異なりますし、そのいわゆる履歴書も応募職種でフォーマットや記入項目が違うはずです。

ここでいうCVはアーティストCVのことで、アーティストの「アート実践の概要まとめ」、要はこれまでの経験や評価、活動歴などを含めた書類です。キュレーターやアートワーカーの方にはあまり参考にならないかもしれませんので、あらかじめご了承ください。

今回は公募に応募する際に必要なCV作りのポイントと、最後にベーシックなテンプレート(メンバーの方は無料)をダウンロードしていただけます。

なぜCVが必要なのか

ここをまず押さえておかないといけません。別に作品が良ければいいだろ!も、そうなのですが、公募に際し審査する人たちは、基本的にあなたを全く知らない人と考えて下さい。その場合、作品と同時にその審査員にとってあなたのアート実践の足取りを掴むサポート資料となります。例えば身近なところで言うと、知らないアーティストがいて、作品が気になってウェブサイトを訪れたとします。そうです、高確率でAboutやBiographyのページでその人の経歴を見ませんか?私の場合だと、まず最初にそのページに飛ぶことも多いですし、見ずにページを閉じることは殆どありません。CVの必要性と同時にウェブサイトの体裁も気になったのではないでしょうか。ということで、近いうちにアーティストウェブサイトガイドも更新予定です。

*以下は会員限定コンテンツになりますが、noteでも同じ記事とテンプレートを買い切りでご利用いただけます。

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4.声を大にして伝えたい出版系公募のススメ

出版系公募、実はとってもチャンスなんです。

日本にもアート専門誌、アート情報メディアなどいくつかあると思います。ただ、日本の人口プラス何人の潜在読者がいるか想像してみてください。日本語をめちゃくちゃ勉強して漢字がわかる人でアートに興味があって日本語のアートメディアに辿り着くか、日本から取り寄せる、もしくは訪日に合わせて日本メディアの情報を多言語でどうにか検索して辿り着く人のことです。

さて、外国語ではどうでしょう。まず英語・スペイン語ネイティブ話者が約4億人ずついます。それプラス、多くの国で英語学習をカリキュラムに組み込んでいます。そうなると英語の雑誌を読める人は…もうすごい数です。

つまり何が言いたいかというと、英語のアート専門誌・メディアに掲載されることは国際的な露出・広告と同義なのです。SNSでいくら自ら世界に発信できるようになった時代であろうと、SNSをやっていなかったり、敬遠しているアートプロフェッショナル・コレクター達は少なからずいます。事実、筆者の友人でもSNSはやっていないが、過去に専門誌や新聞で特集してもらった事によって顧客からの問い合わせが絶えないというアーティストがいます。また、そういったメディアが紹介するアーティストであることで、アートプロフェッショナル・コレクター達たちにとってひとつの指標にもなりますし、美術館や文化施設が取り扱っているケースも多いので一般への露出も期待できます。

また、メディア掲載は先方からのアプローチによるものだけだと思っていませんか?実際、有名な媒体でない限りビッグネームのインタビューやコンテンツを、湯水の如く期待のアーティストを発掘できるわけではなく、メディア側も探しているんです。実際に日本語の情報で海外の出版系公募情報がどこまで知られているか分かりませんが、海外での展示以外でキャリアアップにつながる公募のひとつでもありますのでアートパフィンで見かけた際には是非一度考えてみてください。カテゴリは“コンペ”になります。今回は出版系公募の種類と、意外と恐れる必要のない掲載までのプロセスについて説明します。

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