10. 応募に役立つ英単語集#1
Hi there!
今回は英語の書類作りで知っておくと便利な単語集の第1弾をお送りします。皆さん翻訳アプリやAIも活用しておられると思います。ですが、意味は間違いないし自然な英語なんだけど、これってアート系の文章ではほとんど使われない単語だよねっていうシーンはまだ多いと感じています(筆者のプロンプト技術が低いだけかもしれませんが)。逆に、展覧会やアーティストステートメントくらいでしか見ない単語や表現もあったりしますし、めっちゃ知ってるけど、こう言う使い方が有効なの!?とかもあります。あと、ネイティブ的に自然で無くても全く問題ないです。非ネイティブの人が読む場合も多く、そもそも英語圏同士でも国が違えば???ってなることも多いですので。
ではひとつ目
【 △ concept → ✔︎ research question 】
皆さん、concept -コンセプト- 使ってませんか?theme -テーマ-はまだ使います。ですが、どんな場面でもコンセプトはほぼ使いません。これは、アートにおけるリサーチや制作プロセスが単なる「コンセプト」以上のものを求められるためです。「concept」だけでは、単なるアイディアや発想として捉えられがちですが、アート作品ではその背景にある理論やプロセスが重要視されます。では代わりにどんな表現が適しているのか。もし、あなたのアートプラクティス全体について言いたいのであれば、「research question 」がよく使われ、単なる「コンセプト」を超えたものとして認識されます。
△ The artist’s concept is to explore the idea of identity through abstract forms and colors.
(アーティストのコンセプトは、抽象的な形や色を通じてアイデンティティのアイデアを探求することです。)
✔︎ Through his multimedia work, the artist explores the research question of how memory is influenced by cultural representation and collective history.
(彼のマルチメディア作品を通じて、アーティストは記憶が文化的表象や集団的歴史によってどのように影響を受けるかという研究課題を探求している。)
【 raise questions 】
「question」繋がりでもうひとつ便利な表現として「raise questions」があります。作品/アーティストが鑑賞者に問いを投げかける という文脈です。現代アートでは、作品が単にメッセージを伝えるのではなく、 問題提起を行い、観客に考えさせる役割を果たす ことが重視されることも多いため、このフレーズがよく使われます。作品の目的が単なる表現ではなく、思考を促すものであることを示すのに適しています。「question」や「challenge」よりもニュートラルで、問いの投げかけに焦点を当てる表現です。
✔︎ Her work raises questions regarding identity and cultural hybridity.
(彼女の作品は、アイデンティティと文化的混成についての問題を提起する。)
✔︎ Rather than providing clear answers, the artist raises questions about the ethical implications of artificial intelligence.
(明確な答えを提示するのではなく、アーティストは人工知能の倫理的影響について問いを投げかける。)
【 art practice 】
日本語でもアートプラクティスは結構使うと思いますが、自身のアート実践・制作・活動全体を指します。なので「私はアートを通して〜 / 私の制作・活動において〜」などのニュアンスを言いたいときに「My art practice is ~ 」は非常に便利です。
✔︎ Her art practice is centered around social issues, and she uses mixed media to explore themes of identity and belonging.
(彼女のアートプラクティスは社会的な問題を中心に展開され、アイデンティティと帰属のテーマを探求するためにミクストメディアを使用しています。)
【 △ express → ✔︎ explore 】
英語で「何かを表現しています」と言うときに「express」が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。ですが、圧倒的に「explore」が適しています。なぜか。expressは内なるものを発する際に用いるため、より感情的な印象を与えます。一方、「explore」は「探求する」「深掘りする」という意味を持ち、思想や哲学、概念が付随するアートにおける研究の姿勢と相性が良いです。作品が何かを断定的に「表現」するのではなく、むしろ問いを投げかけ、考察の余地を残すニュアンスを含んでいます。ただ、全員に当てはまるわけではなく、たとえば、その人の内なる怒りや悲しみをフルスイングでキャンバスにぶつける人は「express」が適しているかもしれません。そこに技法や概念の研究や応用などが入ってくると「explore」になるイメージです。つまり多くの場合、「explore」が適しています。
△ This work expresses my feelings about isolation.
(この作品は孤独についての私の感情を表現している。)
✔︎ This work explores the experience of isolation in contemporary urban life.
(この作品は現代の都市生活における孤独の経験を探求している。)
【 delve into 】
前項の「explore」よりさらに特定のトピックについて掘り下げるプロジェクトやシリーズであれば「delve into」が用いられます。「explore」が概念やテーマの全体的な探求なのに対して、「delve into」は徹底的に調査する・特定のトピックやディテールに集中するイメージです。より具体的な技法・素材や社会的背景に焦点を当てる時に「delve into」が適しています。
✔︎ The exhibition delves into the history of textile production and its colonial implications.
(この展覧会は織物生産の歴史とその植民地主義的影響を深く掘り下げている。)
✔︎ The artist delves into the tension between technology and human intimacy.
(アーティストはテクノロジーと人間の親密性の間にある緊張関係を掘り下げている。)
【 mine 】
「mine」 は「鉱山を掘る」「採掘する」という意味を持ちます。そこから転じて、アートの文脈では 「あるテーマや素材からアイデアや意味を掘り起こす」 というニュアンスで使われます。過去の記憶や歴史、文化を掘り下げる時、社会や個人的な体験を掘り下げる時、技法や素材を掘り下げる時などに適しています。「mine」は、何かを深く掘り下げ、意味を見出すというニュアンスが強く、「delve into」と似ていますが、「mine」はより長期間にわたる探求や、意図的に掘り出す行為を指すことが多いです。
✔︎ The artist mines personal and collective memory to create immersive installations.
(アーティストは個人的および集団的な記憶を掘り下げ、没入型のインスタレーションを制作している。)
✔︎ The artist mines a range of materials, from taxidermy and natural objects to shaped neon lights and other remnants of manmade items.
(そのアーティストは、剥製や自然物から、成形されたネオンライトや人工物の残骸まで、さまざまな素材を掘り下げている。)
【 centralize 】
「centralize」 は「中心に据える」「重要視する」という意味で、頻出単語の一つです。「特定のテーマや視点を中心に据え、それを際立たせる」 という文脈で作品説明などによく使われています。特定の概念や視点を作品の核とする時、社会的な問題を強調する時などに適しています。「centralize」は、アーティストが何を主軸にするかを明確に伝えるのに適してます。「highlight」や「focus on」も使えるので覚えておくとバリエーションが増えます。その中でも「centralize」は「意図的に作品の中心に据える」という強調をしたいときに使うといいでしょう。
✔︎ The artist centralizes the experiences of indigenous communities in her work.
(アーティストは自身の作品の中で先住民コミュニティの経験を中心に据えている。)
✔︎ His practice centralizes the impact of climate change on coastal regions.
(彼の制作は気候変動が沿岸地域に与える影響を中心に据えている。)
【 embrace 】
アートシーンでよく使われる単語のひとつで、特に 「積極的に取り入れる」「受け入れる」「包括する」 という意味で使われます。これは、アートプラクティスや制作姿勢を表現する際に、他の単語(explore, delve into, mine, centralize など)とは異なるニュアンスを持っています。「embrace」は、単に「採用する(adopt)」というよりも「より積極的に」が含まれていることが肝です。伝統や歴史を再解釈しながらも受け継ぐ時、テクノロジーや新しい素材を作品に組み込む時、特定の概念やアイデンティティを積極的に受け入れる時に適しています。「explore」や「delve into」と違い、試行錯誤ではなく「既に受け入れている」感覚があって、「embrace」はポジティブな受容のニュアンスを持ちます。ステートメントを書く際には、「embrace」を使うことで、アーティストが何を積極的に取り入れているのかを明確に伝えることができます。
✔︎ The artist embraces imperfection as a core element of her practice.
(アーティストは不完全さを自身の制作の核として受け入れている。)
✔︎ His work embraces both digital and analog techniques, creating a hybrid aesthetic.
(彼の作品はデジタルとアナログの両方の技法を取り入れ、ハイブリッドな美学を生み出している。)
【 raise questions 】
「question」繋がりでもうひとつ便利な表現として「raise questions」があります。作品/アーティストが鑑賞者に問いを投げかける という文脈です。現代アートでは、作品が単にメッセージを伝えるのではなく、 問題提起を行い、観客に考えさせる役割を果たす ことが重視されることも多いため、このフレーズがよく使われます。作品の目的が単なる表現ではなく、思考を促すものであることを示すのに適しています。「question」や「challenge」よりもニュートラルで、問いの投げかけに焦点を当てる表現です。
✔︎ Her work raises questions regarding identity and cultural hybridity.
(彼女の作品は、アイデンティティと文化的混成についての問題を提起する。)
✔︎ Rather than providing clear answers, the artist raises questions about the ethical implications of artificial intelligence.
(明確な答えを提示するのではなく、アーティストは人工知能の倫理的影響について問いを投げかける。)
【 investigate 】
え、「investigate」? と思った方もいるかもしれませんが、作品説明ではよく見かけます。「調査する」「探究する」「解明する」 という意味を持ち、ここまで読んできた方なら現代アートとの親和性の高さにお気づきかと思います。アートにおいては 特定のテーマや現象を体系的に考察し、作品を通して示す ことを指します。単なる視覚表現ではなく、知的な探究プロセスを伴うことを示すのに適している。「explore」よりも、より科学的・分析的なニュアンスを持つのが「investigate」です。科学的・哲学的な探究を強調する時、メディアアートやコンセプチュアルアートで、批評的な視点を持つ時などに有効です。
✔︎ Her work investigates the intersections of memory, migration, and language.
(彼女の作品は、記憶・移住・言語の交差点を探求している。)
✔︎ Through an experimental approach, the artist investigates how perception is shaped by artificial intelligence.
(実験的なアプローチを通じて、アーティストは知覚が人工知能によってどのように形成されるのかを調査している。)
【 address 】
今回ぜひ覚えてほしい単語「address」 はアートシーンで極めて頻繁に使用される動詞の一つで、アーティストが特定の問題やテーマに取り組む姿勢を示す のに適しています。私たち日本人が日常的に使うアドレスとは全く違う文脈と表現です。作品が社会的・政治的・文化的な問題を扱う際に特に効果的 で、単に描写する(depict)や探求する(explore)だけでなく、ある程度の立場や意図を持って問題に向き合う ことを強調する言葉です。「address」は、「(問題やテーマに)取り組む」「言及する」「対処する」 という意味を持ち、アートにおいては 単なる表現を超え、積極的にあるテーマを考察し、観客に向き合うことを促す というニュアンスがあります。アーティストの社会的な立場や意図を明確にするための重要な動詞で、全体を通して「raise questions」や「investigate」と組み合わせると、より批評的・概念的な深みが出ます。
✔︎ The artist addresses issues of race and representation in contemporary media.
(アーティストは現代メディアにおける人種と表象の問題に取り組んでいる。)
✔︎ Her work addresses the environmental consequences of urban expansion.
(彼女の作品は都市の拡張がもたらす環境への影響を扱っている。)
お疲れ様でした。普段聞き馴染みのある単語でも全く用途が違ったり、いや、この単語初めて聞いたわ。などあったかと思います。今回紹介したこの10個は本当に便利だと思いますし、洗練され、伝わりやすい英文制作を手伝ってくれるはずです。
そう遠くないうちに第2弾もお届けできればと思います。
Have a lovely day!